怒りを目覚まし時計に 〜 NVC読書会 第10章 〜

NVC読書会

日曜の朝のお楽しみ、NVCの読書会もいよいよ10章です。
読んでいるのはこちらの本。

ここまで、読書会の進行と同じペースで読み進めていますが、ひとりでは到底理解できない深い内容です。
アメリカ在住の著者が英語で書いた本なので、文化的な背景や言語によるコミュニケーションの違いもあって、本に書いてある内容をそのまま日本に住むわたしが実生活に落とし込むのは、なかなか難しいです。

それでも、一緒に読み進める仲間がいて、自分とは違う感想や体験のシェアを聞くと、少しずつ理解の幅が広がります。

前回9章の読書会の気づきは、こちら。

10章は、自分の怒りと向き合うこと

10章のタイトルは、『怒りをじゅうぶんに表現する』です。
これを書きながら気づいたことは、「怒り」という言葉自体に反応してしまう自分がいること。

その言葉を書いたり、聞いたりするだけで、反応している自分がいます。
その反応は、ダメなものとか、抑えるべきもの、危険など、ネガティブなものばかりです。

「怒り」というのは、まず自分のものではなく、人のものだったように思います。
自分が「怒り」を感じる経験よりも、「怒り」をぶつけられる経験が先にあったように思います。

例えば、親や兄、学校の先生などから怒られた記憶の方が先に出てきます。
そこから、「怒り」という感情を学んだのだと思います。
そして、そこにいい思い出は一つもないので、「怒り」に対してネガティブなイメージしかないんでしょうね。

だからこそ、このタイトルを見て、ちょっと身構える自分を感じていました。
怒りを表現しちゃうの???
という気持ちがありました。

自分の怒りを見つめること

「怒り」はよくないもの、という先入観があるからこそ、ふだんからあまり「怒り」を感じることはないです。
どちらかというと、「イライラ」や「ムカつく」、「モヤモヤ」を日常的に感じています。

この本によると、「怒り」をみるときに、原因と刺激という2つを区別することが大切です。
最近の我が家の例を紹介すると、
【長男が、わたしの作ったお弁当を食べずに翌日の夜に全部捨てたことに腹が立った】
というケース。(ひどいと思いませんか???)

NVCの考え方では、【息子がお弁当を食べずに捨てたこと】は、刺激であって原因ではないということです。
この場合の原因は、【わたしが時間をかけてお弁当を作っていることや、美味しく食べてほしいという気持ちが尊重されていないと感じたこと】になります。

詳細は、本で読んでいただきたいので省きますが、「人の言動によって、怒りが生まれることは絶対にない」(p246)と書いてあるんです。
つまり、人の言動は【刺激】にはなっても、【原因】にはならないということです。

怒りを感じたら、その奥にどんな原因があるのか、自分のどんな考えが原因になっているのかを確かめてみよう、と書いてあります。
前の章でも、自分の感情をみるということを学びましたが、怒りについても深く自分にもぐっていくと、普段は意識していない自分の価値観や大切にしたいことが出てきそうです。

怒りを目覚まし時計として利用する

これは、p251に出てくる表現です。

怒りをある種の目覚まし時計として捉え、自分には必要としているが満たされていないことがあり、それが満たされるのを難しくしてしまう考え方をしているということに気づくために利用すれば、価値あるものとなるのではないだろうか。

つまり、怒りを感じたときに、まず自分の中の【必要としているが満たされていないこと】を探してみる。
「相手が何かをしたから怒っている」のではなく、「自分が〇〇を必要としているのにそれが満たされていないから怒っている」と意識的に言い換えることで慣れていくそうです・・・。

この部分を読んだときに、ストレスについて学んだときのことを思い出しました。
ストレスを感じるとき、「そこには自分が大切にしてる価値観がある」という考え方です。


例えば、就活生が会社の最終面接を受ける時でも、その会社に入りたいと思っていなかったら、特に緊張したりストレスに感じないはずだということです。
その会社に絶対に入りたい!と思っているからこそ、怖かったり、不安になったりするということ。
怒りは、ちょとまた違うけれど、自分の大切にしていることが脅かされているときに感じるものなんですね。

なかなか難しそうですが、やってみるしかないですね!
実際、今朝、息子にお弁当の件で話をしました。
わたしの中では、「もったいない。」よりも、「わたしの想いを尊重してほしい。」というニーズが満たされていなくて、悲しいということを確認していたので、自分の感じていたことを伝えました。
そしたら、息子はバツが悪そうにごにょごにょ言ってましたが、「ごめんなさい。」といっていました。
そして、わたしの想いが伝わったと思えたので、責めることはしませんでした。

ただ、今日のお昼ご飯代を求められたときには、断っちゃいました。
まだお小遣いが十分残っているのを知っていたので、「今日は、自分のお小遣いで食べてね。」と伝えました。

怒りを表現する

この章の中で特に難しいと感じるのは、怒りの原因を確認するだけじゃなくて、それを相手に伝わるように表現するという部分です。

怒りを表現するためのステップ
1. 立ち止まって深呼吸する
2. 自分は何をどう決めつけているのかを自覚する
3. 自分が必要としていることを見極める
4. 自分の感情と必要としているが満たされていないことを表現する

(NVC p258)

怒りを表現するにも、相手が心で受け止めてくれるように、まず相手に共感を示すところからスタートする。
そして、非難や批判と受け取られないように言葉を尽くして表現する。

正直、上級のテクニックだなぁと感じます。
でも、自分の怒りの原因を見極められたら、それを伝えたい、わかってほしいと今より思うようになるのかもしれません。
一足飛びにそこまでいけないけど、そこを最終ゴールに設定して、一歩ずつコミュニケーションを変えていこうと思います。
きっと自分の怒りの原因をうまく伝えられて、相手にも受け取ってもらえたら、その関係性はもとよりずっと深いものになると思うから。

次回、第11章はなんと「紛争を解決する」です。
わたしの人生の中で、紛争の解決に立ち会うイメージは湧きませんが、兄弟ゲンカも、大人同士の小さな行き違いも、「紛争」のミニチュア版だと思えば、そこにまたたくさん学びがありそうです。

次回も楽しみです!

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